①測られし数値を我に紐づけてくれし者切らずに連れ帰る
2017年11月、或る病院に入院して手術を受けました。その病院には、かつて別の手術を受けるために入院したことがあるのですが、当時はバーコードを使ってはいませんでした。
そこで、退院したらバーコードを腕に付けた状態で写真を撮り短歌を詠もうと思いました。退院の手続きが終わると看護師に「バーコードを切りましょうか」と言われたので、「結構です」と答えました。
写真のない通常の短歌であれば、①の四句の「者」は何を指しているのかが分からないでしょうから、次のように詠むのが一般的かも知れません。
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測られし数値を我に紐づくるバーコード切らずに持ち帰る
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測られし数値を我に紐づくるバーコード切らずに退院す
ただ、これでは「何故バーコードを切らなかったのか。珍しいから持って帰りたかったのか」と思われそうです。定年退職後の現在の私の日常業務の1つは、書類にバーコードを貼付したりバーコードを読み取ったりすることなので、入院して患者取り違え防止目的で自分自身にバーコードを取り付けられたことが面白かったのです。
そのため、バーコードへの感謝の気持ちを込めて「我に紐づけてくれし者」と詠み、「持ち帰る」ではなく「連れ帰る」と詠みました。